ここは千葉県にあるスターゼン食品株式会社の工場。マクドナルドのビーフパティはここで生産されています。今日は「本格肉厚ビーフ」ができるまでを見せてもらって、おいしさの理由を探りたいと思います！

中村さん「こんにちは！　マクドナルドのビーフパティ生産工場へようこそ。工場長の中村です。今日は『本格肉厚ビーフ』の製造工程をご紹介しますね。まずは材料の保管庫を見にいきましょう」

中村さんがまず案内してくれたのは、ビーフパティの原料となるビーフの保管庫。いわゆる大きな冷凍庫です。ビーフの鮮度を守るため、温度管理は厳重。保管庫の中はもちろん、外の通路まで寒い……！　ちなみにこの千葉工場では1日80tものビーフを加工するそう。すごい量です。

中村さん「ビーフはオーストラリアとニュージーランド産のみを使用。現地から輸送され、-20℃の冷凍庫で保管しています。原料が届くと、まずは箱についたラベルで産地などをチェック。そのほか、お肉自体の温度が-15℃以下になっているか、箱が潰れていないかなども確認します」

次に案内してくださったのは、もっとも重要な「解凍」のための部屋。2台の巨大なハイテク解凍マシンが、お肉のうまみ成分である「ドリップ」を逃がさないように高周波でじっくり80分かけてビーフを解凍していくのです。解凍する前に、箱を金属探知機に通して、使用する原料に問題がない事をしっかりチェック。
箱の中の解凍前のビーフを見せてもらうと、美しいお肉が！　バラや肩、スネやロースなどの部分の精肉の形を整えるときに切り落とされる肉が入っているんだそうです。すでにおいしそう…。

中村さん「ビーフのおいしさを保つために、解凍はいちばん大切な工程です。この高周波解凍機を使うことでお肉を中まで均一に解凍することができます。またドリップも出ないため、お肉の旨味を逃すことがないんです」

解凍したお肉は次の部屋で箱から出され、人の目による厳しいチェックを受けます。ここではお肉の表面を6面すべてしっかり検品。熟練したスタッフの鋭い目が光ります。

次はビーフをフレーク状に砕き、ひき肉にします。ここで注目なのが、赤身と脂身の割合を調整する工程です。ビーフをひき肉にする前に、何やらマシンで成分を分析するスタッフさん……データを元に赤身と脂身の割合を調節し、ひき肉にしてからもう一度分析。マクドナルドのパティがいつ食べても安定しておいしいのは、脂肪率が一定になるように調整されていたからなんですね。

中村さん「赤身と脂身のバランスはパティの食感や味わいを左右する大事な要素です。どちらが多すぎてもおいしいパティはできません。割合はヒミツです（笑）。またひき肉の挽き目も、食べた時の食感がいちばんおいしくなるようにしています」