チキンタツタのヒントになったのは、
“おばあちゃんの唐揚げ”だった!?
最高においしいチキンバーガーを日本で作りたい。日本人開発者たちのそんな特別な意気込みから生まれたのが、日本独自の料理法である「竜田揚げ」を生かして開発した「チキンタツタ」。メンバーの想いは見事に成就し、1991年のテスト販売時には来店客の3人に2人が購入したほど販売当初からいきなり超人気商品に。2004年にレギュラー販売を終えた現在でも毎年期間限定で登場し、多くの方に愛され続けています。ここまで長い期間、たくさんの人を魅了してきた理由は一体どこにあったのでしょうか。
実は「チキンタツタ」の開発に参加したメンバーが最初に研究したのは、唐揚げ。当時、まぶすだけで簡単においしい唐揚げが作れる“唐揚げ粉”が世間でブームになっていたのです。どうしたら、みんなを虜にするような唐揚げを作れるだろう。開発者たちが試行錯誤していたとき、ある開発アシスタントがおばあちゃんのレシピを教えてくれました。しょうがや醤油などの香味野菜・調味料にお肉をしっかりと漬け込んでいて味わい深い――。当時市販されていた唐揚げ粉では出せない奥行きのある味こそ、彼らが求めていたものでした。こうして“おばあちゃんの唐揚げ”をヒントに、開発が進んでいったのです。
実はこの「チキンタツタ」の開発は、「てりやきマックバーガー」がフランス人シェフ ルネとの共同開発であるのを考えると、初の“純国産”バーガーへの挑戦といえるものでした。それゆえに開発者たちのこだわりは並々ならないものだったとか。たとえば一緒に挟んでいるキャベツ。バーガーに挟むものといえばレタスがそれまでの当たり前でしたが、しょうが醤油の風味が香るやわらかなチキンパティを引き立てるために、ほんのりとした甘みを楽しめるキャベツをチョイス。シャキシャキの食感を出すために太さにもとことんこだわり、キャベツを何度も買ってきては切って、バーガーに入れて試食するということを繰り返して全体のバランスを整えていきました。またバンズも同様にパティとの相性を考えてほのかにやさしい甘さを追求。そのうえ、ふんわりとした食感と見た目のインパクトを出すために、コブ付きのあの独特な形の「チキンタツタ」バンズを作り上げました。ちなみにこのバンズはふんわり感を出すために、生地を一つひとつ人の手で結んでいます。そのため、作り手の利き腕によって“右巻き”と“左巻き”があり、微妙に異なっているんですよ。こんなふうにしてチキンパティの味わいを引き出す方法を一つひとつ徹底的に考え抜いた「チキンタツタ」が完成。チキンパティ自体のおいしさはもちろんのこと、すべての工夫が一つに結びつきあって、多くのお客様から熱烈に支持していただける商品となったのです。
昨今は「チキンタツタ」の販売と同時に「チキンタルタ」や「チキンタツタ めんたいチーズ」などが登場し、バラエティ豊かなおいしさをお届けしています。2021年には大人気青春野球漫画『タッチ』とコラボして、青春の甘酸っぱさと瀬戸内レモンをかけ合わせた「チキンタツタ 瀬戸内レモンタルタル」を販売。大きな話題となりました。販売から30年経った今も年々ファンが増え続けている「チキンタツタ」。開発者のこだわりがたくさん詰まったこのバーガーが、これからどんな進化を遂げていくのかも楽しみにしていてください。
※1991年初登場。