お店が幅広いお客様に愛され、
地域に根ざした存在に
なっていることが嬉しい。

私の家系が明治時代から営んでいる割烹料理店の支店がありました。駅前の支店として、時代に合わせたお店を経営していました。当時、我孫子駅前は古い町並みだったのですが、昭和50年代(1975年〜)に駅前の土地建物区画事業が開始された流れで、1984年に店舗を解体しました。この支店は、店舗兼住居として利用していて、私が中学１年生の時までここに住んでいました。

きっかけは、父がマクドナルドのハンバーガーが好きだったことです。父が築地まで仕入れに行くといつも、銀座のマクドナルド1号店でハンバーガーをお土産に買ってきてくれていました。昭和50年代(1975年〜)に、我孫子にマクドナルドを誘致したいと考え、マクドナルドの新宿本社まで訪問して、出店のご相談をしたこともありました。当時は、我孫子駅前支店ではなく、国道6号線沿線のロードサイドで所有していた場所に出店を希望しましたが、調査の結果、出店は難しいという話になりました。しかし、我孫子駅前の区画整理が進んでいる話をしたところ、「駅前ならば出店できるかも」というお話をお伺いしました。数年後、駅前区画整理が進み、大型店舗が出店するなど駅前の環境が変わると、今度はマクドナルドの店舗開発の方から「貸してくれないか？」とお声がけいただいたんです。
結果、マクドナルドの単独店舗で出店してもらおう、という流れになり、1993年6月18日にお店がオープンしました。あれから約30年が経過し、長くお付き合いさせていただいたことに感謝しています。

長期間の契約もあり、マクドナルドに対する信頼がありますし、相手も私を信頼してくれていると感じます。色々なことがあっても長く続けられているのは、お互いの信頼関係があってこそ。家主は高く貸したい・借主は安く借りたい、などお互いの考えはありますが、条件だけではなく、長年の日々の信頼関係があるから続けてこられたと思っています。
お店のオープン当時は子どもやファミリーをターゲットにした店づくりで、私の子どもが小さい時は、ハッピーセットのために、子どもを連れて来ていました。フランチャイズ店舗を運営するオーナーオペレーター様には、地元の幼稚園を紹介することもありました。
しかし最近は、来客層が幅広くなっていることに驚きます。店舗を見に行ってみると、年配の方が増えていたり、取引先の銀行の担当者からは、「我孫子駅前のマクドナルドでよく昼食を食べるんですよ」と言われることもあったり。幅広いお客様に愛されていると感じます。自分は土地を貸しているだけで、運営はしていないですが、お店が地域に根ざした存在になっていることを、とても嬉しく思います。
幼少期や学生時代に駅前のマクドナルドを使った経験が、大人になってからもマクドナルドを使うきっかけになるはず。なので、ドライブスルーだけではなく、地域に合わせた場所にマクドナルドがあってほしいと思います。
現在は店舗を改装し、様々なお客様が足を運んでくださる。マクドナルドがとても楽しい場所になっているのが嬉しいです。

賃貸契約の場合はどうしても、数字や条件を気にしてしまいがち。ですが、「マクドナルドを誘致することで、地域の方々に喜んでもらえる」という視点が、貸す側にもあったほうが、長期的な視点ではよい結果になると思います。信頼関係を持って、繋がってほしいです。
時代に合ったメニューや店づくりの提案を、私はマクドナルドには期待しています。自分の妻は未だに、新しいメニューを見ては、「食べてみたいね」とワクワクしているんです。
思い返せば、店を誘致したいと考えた当時も、マクドナルドにワクワクした期待感を持っていました。今でも、店舗が我孫子駅前にとってワクワクする場所であってほしいと思っています。ランドオーナーである自分とマクドナルドの信頼関係があるからこそ、この場所に店舗を構えることができ、お客様との繋がりも生まれています。お互いが手を握り合い、地域に貢献するという思いが、お客様に楽しい場所を提供できると考えています。
近々、店舗は改装を予定しています。通っている人が「入ってみたいな」と思っていただける、楽しい場所になるはずです。地域の人たちがマクドナルドを楽しんでくれている姿を見て、「マクドナルドに貸してよかったな、嬉しいな」と感じます。
マクドナルドは一過性ではなく、この場所に長く価値を提供できるブランドだと思っています。