生まれ育った福岡県が大好きだった私は、異動のない地域社員制度※2を利用してマクドナルドに入社。慣れ親しんだエリアで過ごす日々はとても充実していましたが、マネージャーとして働くうちに「もっと責任の重い役職へキャリアアップしていきたい」という気持ちが芽生え、2年目の頃から正社員を目指すようになりました。
当時、地域社員から正社員になるには課題をクリアする必要がありました。それは、店舗スタッフをリードし、決められた売上目標を2カ月連続で達成すること。自分1人で達成できる目標ではありません。お店は「提供スピードの遅れ」と「食品ロスが他店よりも多い」という2つの悩みを抱えていましたが、これまでリーダーシップを発揮するポジションをほとんど経験してこなかった私は、正直どのようにみんなをリードしたら良いのか分かりませんでした。
まずは店長からのアドバイスをもとに、自分が店長やOCになった気持ちで現状を見つめ直すことに。すると、目的意識の浸透度合いに差があることに気付きました。例えば、提供スピードの改善は“お客様の満足度を向上させること”が最終的な目的です。しかしスピードを早くすることそのものが目的となっているスタッフもいて、オペレーションがおざなりになってしまうケースがありました。
私は一人ひとりと話す時間を設け、改善に取り組む理由と、解決によってお客様、お店、そしてあなた自身にどのようなメリットがあるのかを順序立てて伝えました。手法だけでなく、なぜやるのかを伝えることで、相手に目的意識を持ってもらえるのではと考えたからです。その上で、不満や不安、どうしたらより楽しく働けるお店になるかなど、とことん腹を割って話しました。
すると、改善のアクションを自分ごととして捉えてもらえるようになりました。本気で取り組む人が1人、また1人と増えていき、お店の悩みは“誰か”ではなく“みんな”で改善していくものという共通認識が生まれ、結果としてお店の一体感向上にもつながっていきました。
最終的には売上目標を達成でき、私は晴れて正社員に。しかしそれ以上に、スタッフ全員でより良いお店作りに取り組めた経験は大きな自信となりましたね。旗振り役のミッションは、主体性を引き出すアプローチを仕掛けていくことだと気付きました。
※2:地域社員制度
ライフスタイルに合わせ、自宅から通勤可能な地域での店舗運営に従事しながらキャリアアップを目指せる制度。