トレンドに敏感な港街・神戸に寄り添って
それはまだ、ハンバーガーが珍しかったころ。
1973年7月7日にオープンした兵庫1号店・三宮店は、東京の銀座店と同じように客席のないスタンディング店舗で、神戸のお客様に“街を歩きながらハンバーガーを食べる”という新しい食のスタイルを提案した。その後、1995年に三宮店は惜しまれつつ閉店するも、その意志は三宮センター街店に引き継がれた。1999年12月、阪神大震災からの復興が続く神戸で、全国に先駆けマックカフェ®を店内に併設したのが三宮センター街店だったのだ。当時の店長を務め、現在は日本マクドナルドのフランチャイジー、株式会社OGSの代表を務める小木曽オーナーは当時をこう懐かしむ。「23年前から、マクドナルドでいち早く本格的なコーヒーをお届けしてきました。流行に敏感な神戸のお客様に喜んでいただきたい、そんな気持ちでいっぱいで」。
だが、小木曽オーナーが大事にしたのは“カフェ”だけではない。店先で顔馴染みのお客様を見つけたら笑顔で新商品をご紹介したり、観光で来ている方に道を尋ねられたら、喜んでご案内したり。“地域とのふれあい”を何よりも大切にしてきたのだという。「地域の一員として、たとえお客様でなかったとしても、街を訪れた方に“いい街”だと感じてもらいたかったんです」。その後、若き小木曽オーナーはプライベートでもこの街で結婚・子育てを経験。2018年に独立したとき心にあったのは、自分を育ててくれた兵庫への“感謝”だった。以来、変わらず地域に根差した経営を行い、今年は兵庫県出店50周年記念イベントの推進役を担っているのだという。