STORY#074

「マクドナルドラジオ大学®」から開く、世界への窓

2024.02.09鳥取県

マクドナルドを「大学」に変えるアートプロジェクト、「マクドナルドラジオ大学」。
演出家/アーティストの高山 明氏を中心とした創作ユニットPort B(ポルト・ビー)による企画で、メニューと一緒に様々な講義をQRコードから読み込み、聴講することができます。
六本木に続き次なる舞台となったのは、豊かな自然に囲まれた地、鳥取。2023年11月下旬より、約1カ月間にわたって、鳥取県立博物館で開催された企画展「ラーニング/シェアリング ―共有から未来は開くか?」のサテライト展示として開催されました。「博物館」という学びの場を越えた鳥取県内のマクドナルド全店には、多様な「講義」を聴講するお客様の姿がありました。
世界につながる「小さな窓」を、マクドナルドで開きたい――その取り組みに込められた想いに迫ります。

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日本マクドナルドのフランチャイジーの有限会社ウノ・コーポレーション 宇野 次典オーナー
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店内に掲示したQRコードを読み込み、多様な講義を聴講することができます

多様な人々に焦点が当たる機会を

マクドナルドラジオ大学の「教授」を務めるのは、様々な理由で故国を離れた移民や難民です。それぞれの経験やアイデンティティに基づいた「講義」を発信する――高山氏はその教壇を、多様な人々が気軽に集まるマクドナルドの中につくりました。

この取り組みに賛同した日本マクドナルドのフランチャイジーである有限会社ウノ・コーポレーションの宇野次典オーナーは、当初「マクドナルド」と「アート」がつながるイメージが湧かなかったと言います。

「クルーやお客様にうまく発信できるだろうかと初めは戸惑いました。けれど、高山さんと対話を重ねる中で、企画に込められた強い想いが伝わってきたんです。多様な人々にスポットライトが当たる機会をつくることは、まさに私たちが地域との取り組みの中で大切にしている想いそのものだと感じました。店舗でも留学生のクルーが多く活躍していますし、養護学校の生徒さんを対象にした職場体験など広く活動を行ってきましたので」。

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お客様へマクドナルドラジオ大学についてご案内する鳥取駅南店の宇野 弥生店長
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スーダンからの留学生で、鳥取駅南店のクルーであるアハメド・ムバラクさん

世界の見え方が少しだけ変わるきっかけに

今回の開催にあたって、新たに3つの講義が加えられました。その1つを担当したのが、スーダンからの留学生で、鳥取駅前店のクルーでもあるアハメド・ムバラクさんです。講義では鳥取大学大学院で研究している機械加工学をはじめ、今に至るまでの経験を振り返りました。

「子供たちがエンジニアリングに興味を持つきっかけになったら嬉しいです」と笑顔を見せるアハメドさんに対し、宇野 弥生店長は「クルーの知らなかった一面が見えて視野が広がった」と話します。

「一緒に働いてきた彼がどんな環境で育ち、どんな想いで日本へ来たのか、知らないことがたくさんあったと気付かされました。マクドナルドは働く人もお客様も、非常に多様性に富んでいます。お客様とクルーが相互理解を図るきっかけとなり、さらに広い世界へと興味が開くような体験を届けることができたら何よりです」。

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鳥取県立博物館のキュレーターとして企画展の運営に携わった赤井 あずみさん
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鳥取県立博物館における企画展「ラーニング/シェアリング ―共有から未来は開くか?」内に設置されたマクドナルドラジオ大学の紹介ブース

関係性を取り払った学びを

鳥取県立博物館のキュレーターとして、高山氏を誘致した赤井 あずみさんは、「マクドナルドラジオ大学は今回の企画展に欠かせない要素だった」と語ります。

「昨今のミュージアムは、フラットな関係性の中で経験や出来事を分かち合えるような場所へとシフトしつつあります。そして、ミュージアムから外の世界へ出て、多様な人や事象に目を向けてみる。そんなテーマにマクドナルドラジオ大学はピッタリだと感じました」。

経験から得られた自分だけの学びはきっと誰しも持っているもの。そう考える赤井さんにとって、マクドナルドラジオ大学はまさに人の経験知を祝福するような作品でした。

また、新たな講義コンテンツを加える過程の中で、鳥取県はこんなにもあらゆる人に開かれた場所だったのかと実感する機会にもなったそうです。

「マクドナルドをはじめ、新たな地域とのつながりを活かしながら、人々の好奇心や生きるエネルギーがさらに培われるような発信をしていきたいですね」と意気込まれました。

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創作ユニットPort B(ポルト・ビー)の主宰者で、演出家/アーティストの高山 明氏

マクドナルドラジオ大学を始めて6年目を迎えた高山さんは、「10店舗という規模でイベントを開催できたのは初めてです」と感慨深そうに振り返ります。

また鳥取県が舞台となったことで、今までになかった地域性の見える講義コンテンツを揃えることができたと言います。鳥取大学が留学生を広く受け入れていることなど、非常に多様性に富んだ地域だということも今回の発見でした。

「いつもの“マクドナルド”という身近な場所から、遠い世界への小さな窓が開くような体験を届けたい。企画の根底にあるその想いは今も変わりません。同じ問題意識を持って進められているマクドナルドとともに、これからも取り組みを広げていけたら嬉しいです」。

登場した店舗
鳥取駅南店
鳥取県内のマクドナルド全店
登場した人/会社
鳥取県立博物館
Port B(ポルト・ビー)/演出家/アーティストの高山 明氏
日本マクドナルド(株)フランチャイジー 有限会社ウノ・コーポレーション
活動内容
教育
地域貢献
ダイバーシティ
活動時期
2023年11月25日〜12月28日「マクドナルドラジオ大学」

※鳥取県立博物館企画展「ラーニング/シェアリング ―共有から未来は開くか?」の会期に準ずる

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