STORY#094

おわら風の盆の未来を“共に、灯す。”

2024.10.11富山県

POINT
  • ・地域民俗芸能支援の一環として、「おわら風の盆」の認知拡大施策の展開や、観光客に対するおもてなし施策のハロードナルド&100万人のクラシックライブを実施。
  • ・おわら風の盆行事運営委員会×富山市×マクドナルドのコラボレーション。
  • ・「おわら風の盆」の伝承、ひいては富山県の活性化を目指す。

富山県富山市八尾地域で毎年9月1日から3日に開催される「越中八尾おわら風の盆」。
300年余続く地域民俗芸能をより多くの方に知っていただき、富山県の魅力の訴求や、踊り手・ボランティアの担い手不足を解消するために、行事運営委員会と富山市、マクドナルドが初のコラボレーションをしました。
今回は、本企画のキーパーソンとなる3名にお話を伺いました。

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富山県民謡越中八尾おわら保存会 おわら風の盆行事運営委員会 会長の金厚 有豊さん
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夜の街を流し歩く踊り手の皆さん
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広場に集った観客の前で踊りを披露する姿も

“当たり前”をこれからも

「『おわら風の盆』は私たちにとって当たり前の存在です」
そう教えてくださったのは、富山県民謡越中八尾おわら保存会 おわら風の盆行事運営委員会 会長を務める金厚 有豊さんです。全国の盆踊りとは異なり「おわら風の盆」では、三味線や胡弓の地方(じかた)に合わせ、揃いの法被や浴衣姿に編笠をつけた踊り手がしめやかに夜の街を流し歩きます。八尾地区では幼少期から誰もが踊りを習い、開催に向け地域一帯となって取り組むのです。

「おわら風の盆」が行われる9月1日は、台風到来のシーズンと重なる風の災厄日。豊作を祈るとともに、風の災害が起こらないことを願う行事として「風の盆」という呼び名が付けられたそうです。2024年も台風により一時開催が危ぶまれましたが、無事3日間の開催を終えました。

根強く愛され続けてはいるものの、他の民俗芸能同様、担い手の減少や予算規模の縮小、専門知識・ノウハウの伝承の難しさなど、課題は数多くあります。今回の取り組みを金厚さんは「これからも『おわら風の盆』が従来通りの存在であり続けるためには、地域の皆さんがその魅力を再確認するとともに、国内外問わず多くの方に知っていただき、参加者や支援の輪を広げる必要があります。マクドナルドとのコラボレーションはその一助になりました」と振り返りました。

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日本マクドナルド(株) フランチャイジー 株式会社アップライトの境野 大聖オーナー
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富山駅で開催された100万人のクラシックライブ
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当日配布されたオリジナルステッカー

私たちの強みを、
地域の皆さまのために

店舗における施策の展開や社員・アルバイトの巻き込み施策などに尽力した、日本マクドナルドフランチャイジーの境野 大聖オーナー。「地域の一員として、富山の伝統を守るお手伝いができれば」と考え、今回のコラボレーションに踏み切ったといいます。

そして、富山市のマクドナルド12店舗で、約1カ月前から店内のデジタルコミュニティボード、ポスター、トレーマットを活用し、「共に、灯す。」のフレーズとオリジナルデザインで祭りの告知を開始。すると、地域の皆さんからは大きな反響がありました。

「『おわら風の盆』には“地域のお祭り”という側面もあります。だからこそ、グローバル企業であり身近な存在のマクドナルドが支援すると知り、驚く方も多かったようです。これまでの、両親や地域の方々から語り継がれ、親しんでいく流れとは異なる“新しい接点”をつくることができたと思います」

当日には、店舗でのオリジナルステッカー配布や、待ち時間も楽しく過ごしていただく施策として、富山駅でのハロードナルド&100万人のクラシックライブを開催。観光に訪れた方々をはじめ、たくさんの笑顔が溢れました。

今後について境野オーナーは「日々店舗にお越しいただき、私たちを支えてくださっている皆さんに恩返しするためにも、民俗芸能支援に留まらず、さまざまな地域貢献活動に取り組んでいきたいです」と話しました。

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富山市観光政策課の柏木 克仁さん
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夜の街を温かく照らすぼんぼり
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静かで美しい踊りを披露する踊り手の皆さん

伝承と変化を
富山の未来のために

「民俗芸能を伝承するとともに、その魅力を発信することが、富山県の活性化にもつながると思います」
そう話すのは、富山市観光政策課の柏木 克仁さんです。富山県出身で、幼い頃から「おわら風の盆」に親しんできました。最近では「おわら風の盆」で使われる楽器である胡弓を始めるなど、市の職員としてはもちろん富山県で育ってきた一人として、このお祭りを大切に考えています。

今後もさまざまな課題を乗り越え、後世へ「おわら風の盆」を伝え続けるためには、“変化”も大切だと語ります。
「踊り手は25歳以下であることなど、祭り独自の決まり事や考え方は『おわら風の盆』にもあります。しかし、少子高齢化や人口減少が進む昨今、だんだんと緩和されつつあり、時代にあわせて形をかえていくことは良いことだと私は思っています。最近では国内外からのお客様も多く訪れていますが、例えば富山を気に入って移り住む。ひいてはその子どもたちも一緒に踊りを楽しむ。最終的には、さまざまなバックグラウンドを持つ方々が共に『おわら風の盆』に親しみ、伝承していく。そんな未来があっても素敵ですよね」
より幅広い方々へ「おわら風の盆」を届けることにつながるマクドナルドとのコラボレーションも、そんな“変化”への一歩なのです。

「富山をより活気ある県にするためには、知ってもらって、来てもらう、好きになってもらって住んでもらう……といったステップを踏む必要があります。今後もマクドナルドと連携し、魅力を発信していけたらうれしいです」

登場した人/会社
富山市
日本マクドナルド(株)フランチャイジー 株式会社アップライト
富山県民謡越中八尾おわら保存会 おわら風の盆行事運営委員会
活動内容
地域民俗芸能「おわら風の盆」応援タイアップ
ハロードナルド
100万人のクラシックライブ

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