“当たり前”をこれからも
「『おわら風の盆』は私たちにとって当たり前の存在です」
そう教えてくださったのは、富山県民謡越中八尾おわら保存会 おわら風の盆行事運営委員会 会長を務める金厚 有豊さんです。全国の盆踊りとは異なり「おわら風の盆」では、三味線や胡弓の地方(じかた)に合わせ、揃いの法被や浴衣姿に編笠をつけた踊り手がしめやかに夜の街を流し歩きます。八尾地区では幼少期から誰もが踊りを習い、開催に向け地域一帯となって取り組むのです。
「おわら風の盆」が行われる9月1日は、台風到来のシーズンと重なる風の災厄日。豊作を祈るとともに、風の災害が起こらないことを願う行事として「風の盆」という呼び名が付けられたそうです。2024年も台風により一時開催が危ぶまれましたが、無事3日間の開催を終えました。
根強く愛され続けてはいるものの、他の民俗芸能同様、担い手の減少や予算規模の縮小、専門知識・ノウハウの伝承の難しさなど、課題は数多くあります。今回の取り組みを金厚さんは「これからも『おわら風の盆』が従来通りの存在であり続けるためには、地域の皆さんがその魅力を再確認するとともに、国内外問わず多くの方に知っていただき、参加者や支援の輪を広げる必要があります。マクドナルドとのコラボレーションはその一助になりました」と振り返りました。