STORY#101

福岡のすべてのオーナーがハウス支援のために手を取り合って

2025.01.24福岡県

POINT
  • ・福岡市立こども病院の開院に伴い、2015年に建てられたドナルド・マクドナルド・ハウス ふくおか (以下、「ふくおかハウス」)。
  • ・国内第10番目、そして九州初となるふくおかハウスの全貌をご紹介。
  • ・ハウスを開設前からハウスマネージャーとしてリードする舛元 啓二さん、ワーキングリーダーとしてふくおかハウス支援を推進する有住 英一郎オーナーに、取り組みのきっかけや想い、今後の展望を伺った。

病気に向き合う子供とそのご家族のための第二の我が家――ドナルド・マクドナルド・ハウス(DMHC®)。
国内第10番目であり九州で初めてのハウスが、2015年に福岡に誕生しました。
福岡市立こども病院をはじめ福岡県の病院へ遠くから通い、懸命に治療を受けている子供やご家族にとってなくてはならないこの場所は、たくさんの方々の温かい支援によって支えられています。
今回は、利用者の皆さまへ少しでも安心と笑顔をお届けしようと取り組むハウスマネージャーの舛元さんと、ふくおかハウスのワーキンググループ リーダーとして支援活動に主軸となって取り組む有住オーナーにお話を伺いました!

もっと自分にはできることがある

#
ハウスマネージャーの舛元 啓二さん

「これまでも支援活動に取り組むなかで、“支え合う大切さ”を実感してきました。だからこそ、ふくおかハウスの初代ハウスマネージャーに挑戦しようと思ったんです」

そう想いを語るのは、ふくおかハウスを開設前からサポートしてきたハウスマネージャーの舛元 啓二さんです。実は、以前はマクドナルドの店長も務めていました。店舗の近くにこども病院があったことから、笑顔を届けようとドナルドや店舗の仲間たちと一緒に病院を訪問することも。そんな中では、治療に付き添うご家族の大変さも目の当たりにしました。
また、地域貢献活動の一環として障がい者支援施設のボランティアに伺い、より多くの方が主体的に支援へ参加する重要性を感じたといいます。

そんな折に、福岡市立こども病院の移転に伴い、その敷地内にハウスができることを耳にしたのだそう。社内でハウスマネージャーの公募が出されたことも背中を押し、ふくおかハウスを主軸となって支える一人になろうと決めました。

たくさんの壁を乗り越えて

#
こども病院に隣接して建てられているふくおかハウス
#
ゲストルームからは、こども病院が見える

「ハウスの運営にはボランティアの皆さんの協力が欠かせません。だからこそ、より多くの方に興味を持ち、参加したいと思っていただく必要があったんです」
ふくおかハウス建設地の香椎照葉は、近年開発の進んでいる埋立地。以前は人口も少なく、公共交通機関もハウスからは離れた停留所に停まるバスのみと、ボランティアさん確保のハードルは非常に高かったと言います。

「ボランティア支援センターに登録したり、公民館をはじめ近隣の施設にボランティア募集のチラシを置いたり。少しでも多くの人の目に留まるようにと、いろいろな場所で募集を行いました。そして苦労の甲斐あり、300人以上のボランティアが集まったんです。たくさんの方が私たちの想いに共感し行動してくださったと感じ、本当にうれしかったです」

コロナ禍には3ヵ月間ハウスを閉鎖。その後も制限下での運営となった際にはせっかく定着したボランティアの皆さんが離れてしまうなど、これまでの歩みは決して簡単ではありませんでした。
「病気と向き合う子どもとそのご家族へ、少しでも心の休まる時間を届けたい。その一心で取り組んでいます」
現在も日々たくさんの利用者さんに笑顔を届けできているのは、ふくおかハウスの仲間が団結し、粘り強く活動を続けた証なのです。

#
ハウスの運営を支えるハウスマネージャーとボランティアの皆さん
#
少しでも心が安らぐようにと設置された花壇

仲間たちとともに、もっと笑顔を届けたい

ふくおかハウス開設から9年。福岡市立こども病院との関わりは、より密接なものになりました。
「開設当初は、病院で働く皆さんにハウスの見学をいただいたり、ふくおかハウスの仲間と病院のイベントへ参加したり、関係性づくりに尽力しました。また、ハウスを利用していない方々にも笑顔を届けようとハートフルカートを実施。こういった積み重ねが、ハウスと病院の結びつきを強める一助になったと思います」

※入院中の子どもたちとそのご家族をサポートするために、日用品などの「ちいさなギフト」を病棟にて無償で配布する活動のこと

また、九州の企業との結びつきも、より深まっているのだそう。現在ではマクドナルドをはじめとするたくさんの仲間たちが、ミールプログラムや清掃活動を実施。その取り組みは、年間30回を超えています。

ハウスマネージャーとしての想いをあらためて伺うと、舛元さんは「治療をサポートするご家族の生活は非常に過酷です。孤独や不安に押しつぶされそうにもなります。だからこそ、“一人ではない”と感じていただくことが何よりも大切です。仲間や、地域・企業の皆さんとともに、支援をさらに加速していきます」と力強く語ります。

また、病気に向き合う子どもとそのご家族を支える一人としても「サポートの形はたくさんあり、ハウスがすべてではありません。より多くの人が困難に立ち向かっている方々の存在を知り、行動できれば、もっとたくさんの笑顔が生まれるはずです。DMHCから“支え合う文化の醸成”にも取り組んでいきたいです」と想いを聞かせてくださいました。

#
広々とした1階のラウンジスペース
#
ご家族が滞在するゲストルーム
ベッドカバーのキルティングは、ボランティアの皆さんが1枚1枚想いを込めてつくったもの
#
各部屋にはご家族が想いを綴るノートが置かれている

TEAM 福岡の絆

#
ふくおかハウスのワーキンググループ リーダーを務める、アリダ株式会社の有住 英一郎オーナー

現在、ふくおかハウスのワーキンググループ リーダーを務めるのは、アリダ株式会社の有住 英一郎オーナーです。
前任となる有限会社濱フーズの濱田 博文オーナーから想いを引き継ぎ、さらにハウス支援の輪を拡大する旗振り役になろうと決めたのは、とある経験がきっかけでした。

「私の孫は生まれてすぐ、福岡市立こども病院へ入院したんです。幸い、娘は病院近くに住む私たちの家から病院へ通うことができたため、ハウスを利用することはありませんでした。しかし、病気と向き合う子供を支える家族の不安な気持ちや、治療をサポートする大変さを再確認しました。店舗運営や法人経営とワーキングリーダーの両立は簡単ではありません。しかし、ハウスの意義や大切さを知る一人として、頑張りたいと思ったんです」

ふくおかハウスのワーキンググループの特徴は、オーナー同士の強い結びつき。また、ハウスとオーナーたちのつながりも、非常に強固です。
「ふくおかハウス開設当初から、日本マクドナルドや北部九州に拠点を構えるオーナーたちが集う会議『北部九州会議』へハウスマネージャーの舛元さんにも参加いただき、どんな支援が必要か、さらに支援を広げるために何ができるのか、議論し続けてきました。実現した取り組みは、法人ごとの小規模なものから、福岡マラソンへの協賛をはじめ福岡県のオーナー全員を巻き込んだものまで様々です。より多くの方にハウスを知っていただけるような大きなアプローチもできるのは、ふくおかハウスを支えたいという想いを常に共有し、高めあえているからこそだと思います」

# #
#
ふくおかハウスの清掃活動を行ったマクドナルドの仲間たち
11月11日にはキッチンの清掃を実施した

ハウス支援を、もっと身近に

そんな福岡にも、課題はまだ残されています。ふくおかハウスのある香椎でさえも、ハウスの認知がまだ十分ではないのです。
「来年でふくおかハウスは開設10周年を迎えます。スポーツ選手を招いたイベントを開催したり、ふくおかハウスで働く方やハウス利用経験者の方と地域の皆さんが交流する機会を提供したりすることで、より多くの人がハウスを知り、大切さを実感するきっかけづくりを行いたいです。また、たくさんの方々に一定してご支援いただける環境をつくることが、ハウスの安定した運営につながります。そのため、マンスリーサポーターを増やす取り組みにも注力していきたいと考えています」

※月額300円から継続してハウス支援を行うことができる

今後に向けて有住オーナーは「ふくおかハウスは福岡にありますが、利用者の方は九州全土からいらっしゃいます。ふくおかハウス支援は、他県のマクドナルドの仲間にとっても、地域の方々へ恩返しをすることにつながるはずです。支援の輪を福岡だけでなく九州全土に広げ、九州のマクドナルドみんなでふくおかハウスを支えていきたいです」と、熱い想いを聞かせてくれました。

#
ハウスを支えてくださっている皆さんが記された、木をモチーフにした壁飾り
# #
ハウス内のいたる所に、子供たちやご家族を応援する温かいメッセージが飾られている
登場した人/会社
日本マクドナルド(株)フランチャイジー アリダ株式会社
活動内容
ふくおかハウス支援

この記事のタグ

関連するストーリー

TOPに戻る